公益財団法人白鶴美術館

展覧会情報

2025年 春季展

新館

中東絨毯の美 ―コーカサス編

概要

 新館では中東絨毯より、当館が所蔵する南コーカサス地方の絨毯(19世紀後半から20世紀初期)を、カスピ海沿岸地域と中央部の山岳沿いの地域に分けて展示します。

主な展示品
クバ セイチュール、コーカサス
20世紀初期 240×160㎝
クバ セイチュール、コーカサス
クバ セイチュール、コーカサス
20世紀初期 240×160㎝

  放射状にのびる四枚の羽根がついた十字形のメダリオンが連なる。デザイン・織りの技術ともに洗練された絨毯である。
 カスピ海の西に位置するダゲスタンの南方、アゼルバイジャンの国境に近いクバ近郊のセイチュールのデザインとして知られる。
 この絨毯では、フィールド(絨毯中央部分)に四連の十字形のメダリオン(メダル形)が配され、メイン・ボーダー(最も太い枠状の文様帯)を含め9本にも及ぶボーダーが端正なデザインを引き立てている。

カラバフ コーカサス
1900年ごろ 222×132㎝
カラバフ コーカサス
カラバフ コーカサス
1900年ごろ 222×132㎝

  紺地のフィールドには、放射状四方向に延びる羽根のある十字形メダリオンを縦三連にする。
 カラバフ地方北部のチェラビの地名から「チェラベルド」と呼ばれるメダリオンに影響を受けたデザインとされる。それは、白貫に描かれた十字形と放射状に延びる突起が特徴で、「イーグル・カザック」などとも称されているが、本作品のメダリオンは形も配色もかなり単純化された印象である。
 メイン・ボーダーは黄色地に斜め繋ぎの葉文とその間に茎と花のイメージが配されている。

資料