四季を豊かに感じられる六甲山の麓、清冽な流れの住吉川西岸に佇む昭和の名建築、白鶴美術館。
穏やかに満たされる自然光のもと、国宝・重要文化財の数々を心ゆくまでお楽しみください。
画像をクリックすると、紹介文をご覧いただけます。
「世界的価値のあるコレクションを私蔵するのではなく、ひとりでも多くの方の目に触れてほしい」。
白鶴美術館は、そんな願いを持った嘉納治兵衛(鶴翁・白鶴酒造7代)によって昭和9年(1934年)に開館されました。
古美術品500点で出発した当館は今、国宝2件(75点)、重要文化財22件(39点)を含む約1450点以上の作品を所蔵。
戦争と空襲、戦後の混乱、大震災など幾多の苦難を乗り越えながら、価値ある古美術品を現在に残しています。
1931(昭和6)年 3月 | 鶴翁(堂)の蒐集品より500点の寄贈受けて財団法人白鶴美術館設立 |
---|---|
1934(昭和9)年 5月 | 白鶴美術館開館 |
1964(昭和39)年 5月 | 賢愚経 国宝指定 |
1965(昭和40)年 5月 | 大般涅槃経集解 国宝指定 |
1984(昭和59)年 3月 | 開館五十周年記念名品展「白鶴栄華」及び出光美術館交換展開催 |
1995(平成7)年10月 | 白鶴美術館六十周年記念事業新館(絨毯館)開館 |
2010(平成22)年 4月 | 公益財団法人に移行 |
- 犠首饕餮文尊(ぎしゅとうてつもんそん)
- 中国 商(殷)時代
高29.1cm 口径28.6cm
重要文化財

- 階段室の照明
球形で電球を外に取り付ける
一風変わった照明。 よく見ると唐草文様で構成されており、
中国の球形の香炉を
模したものではないかという説も。
香り高くほのかに展示室前を
照らしています。

- 展示室・天井
見上げた場所に、こだわり。
2階展示室は、奈良東大寺にも見られる
漆喰塗りの格子天井。
格間には飛鶴と唐草文様の書更紗が
市松に配されています。

- 賢愚経(けんぐきょう)乙巻
- 日本 奈良時代 紙本墨書
27.5×1324cm 東大寺戒壇院伝来
国宝

- 渡り廊下
非日常へとつづく道。
玄関のある別館から、展示室のある本館へとつづく渡り廊下。
穏やかな光に満たされるここを、
ひと足ずつ進むことで
普段の喧噪を忘れ、美術品と向き合う心を整えられます。

- 白地黒掻落龍文梅瓶
(しろじくろかきおとしりゅうもんめいぴん) - 中国 北宋時代 磁州窯
高40.5cm 口径6.2cm 胴径21.6cm
重要文化財

- 正門
自然を活かす、贅。
館名が刻まれた巨石が来館者をお待ちする正門。
門を入り、ゆるやかな階段を上ると、
昭和13年の水害の際に発見された
一万貫の流石を使用した記念碑が現れます。

- 本館
昭和が生んだ、名建築。
東洋と西洋、伝統と近代が見事に融合した白鶴美術館。
戦禍や大震災などの苦難を逃れ、
今なお開館当時の姿を残す昭和の名建築で、
数多の美術品をご堪能いただけます。

- 青銅製八角燈籠
国宝の生き写し。
中庭に悠然と佇む燈籠は、
国宝である東大寺大仏殿前金銅製八角燈籠から
直接型を取り、写したもの。
昭和9年の開館当時から
変わらぬ場所で、美術館を見守っています。

- 別館・ロビー
何度見ても息を飲む景色。
静謐な時が流れる別館のロビースペース。
四季折々の風情が広がる中庭と、
重厚な本館を一望できます。

- 白銅海獣葡萄鏡
(はくどうかいじゅうぶどうきょう) - 中国 唐時代
径21.3cm 厚1.9cm

- 四季花鳥図屏風(しきかちょうずびょうぶ)
六曲一双 - 日本 室町時代 天文十八年(1549)
狩野元信筆 紙本金地著色
各162.4×360.2cm
重要文化財

- 茶室
中庭の隠れ家。
三畳中板の小間に水屋がついた小さな茶室は、
石州流本庄宗泉氏による設計。
もとは創立者が持つ六甲山別荘にあったもので、
昭和32年に移築されました。

- 釘隠
釘隠にも、遊び心。
釘隠は相原明雲氏の作品で、
ブロンズ製銀古味仕上げ。
白鶴美術館の象徴でもある飛鶴は、
ここだけでなく、随所で見つけることができます。

- 中庭・池
癒しの時を、こころゆくまで。
開館以来、たゆまぬ丹精で手入れをしてきた中庭。
池ではゆったりと泳ぐ多くの鯉が
来館者たちのこころを癒します。
