展覧会

2017年 春季展

新館

絨毯を形づくるもの・絨毯に表されるもの

絨毯は文様を描きだすパイル糸が主役の作品です。この糸の太さや色数によって、繊細な美しさや大胆で生き生きした文様を描きだすのですが、絨毯の背骨ともいえる経糸、そしてパイル糸を抑え一枚の画面を構成する緯糸も絨毯を形づくる糸のひとつです。その素材も木綿・ウール・シルクと一様ではなく、またその太さはパイル糸が描き出す画の表現にも影響を与える重要な要素となっているのです。

今回の展示では、絨毯及びキリムなどに描かれる様ざまな画と、それを構成する糸の素材・技法との関係に注目してみます。

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主な展示品

アフシャール、ダハジ、ペルシア南部

20世紀初期 173×135cm

濃紺の地にバラやユリの花を大きく表わす。バラは白と紺、赤の三色で立体感をだして描かれており、西洋的な手法を取り入れたデザインとなっている。逆に、ボーダーに描かれる花(チューリップ)の繋ぎ文様は幾何学的である。この絨毯はペルシア南東部の遊牧民族として知られるアフシャール民族によって作られたものだが、地に小さく描かれた幾何学的な鳥や四足の動物に、遊牧民の伝統的デザインが感じられる。

セネ、ペルシア西部

1900年頃 196×127cm

セネは硬質なパイルがひとつの特徴となっている。織りの細かさにも定評があり、花などの連続文様が表された作品が多い。

この絨毯では細いストライプ内に小さな花文様が連なっている。この細かな図を描きだすのは、羊毛のパイルであるが、経糸にはシルクの色糸が使用されている。この経糸がフリンジ(房)として絨毯の上下にでてくるわけだが、このような色糸は華やかさが増すだけでなく、織る際の目印にもなるのだろう。

マンチェスターカシャン、ペルシア中央部

20世紀初期 193×132cm

この絨毯のフィールド下部中央にはバラを入れた花壺が置かれ、周りには様々な種類の鳥たちがつどう。ペルシア文学において、鳥は詩人の象徴ともなり、バラはその思い人の代名詞として使われる。

「マンチェスターカシャン」と呼ばれる絨毯は、柔らかさと光沢が特徴となっている。英国マンチェスターから輸入された繊維の細いウールを使用して作られたた絨毯として、その名が知られている。

エルズルム、アナトリア東部

19世紀後期 331×203cm

エルズルムには二十世紀の初めまで、アルメニア人が多く住んでおり、毛羽のない平織りのキリム、―特に礼拝用のキリムの特産地として知られた。

これは緯糸(図柄になる色糸)を経糸に巻きつけながら織る。「スーマク」と呼ばれる織物である。フィールドやメダリオンの中には抽象的な動物が小さく描かれている。

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